10分で楽しめる文化系WEBマガジン MIN CAFE

ひとりカフェ中に、10分で楽しめる本や映画、エッセイ、カフェ系ブログ。映画は洋画中心、カフェは関西中心、ときに考えさせてくれるエッセイをエッセンスに。文化系の読者様大歓迎です。

ベイマックス、大丈夫だよ|同じ言葉が感動に変わる|ベイマックス|映画|評価|感想

ディズニーアニメーション映画ベイマックス

主人公ヒロの健康(心と体の)をケアするケアロボット、ベイマックスとの触れ合いと成長の物語

ベイマックスってどんなロボット?

ベイマックスは戦闘や労働のためのロボットではなく、体や心に何かしらの傷を負った人間を治療するために作られたロボットです。そのためかよくある金属製のロボットではなく、空気で膨らまされた抱き心地の良い仕様となっています。丸くてとろそうで愛らしい見た目で、SFに登場する無機的ないかにもロボットデザインとは離れたデザインで、足が短くて動作も遅く、興味が散りがちで好奇心を示し、ロボットとしては優秀には見えない。けれどとても愛着を持てます。

ロボットものといれば

アイザック・アシモフSF小説『われはロボット』にを思い出す。作中に登場する様々なロボットたち。フィリップ・K・ディック原作の『ブレードランナー』のレプリカントという人造人間。どちらもロボットを通し人間を描いています。人間よりもロボットの方が人間らしいんです。

過ちを犯すのは人間

ベイマックスにおいても、主人公ヒロは感情を制御できなくなり乱暴な行動に走ろうとします。ベイマックスは命令を受けたとき、「人間を傷つけてはいけない」と諭します。これはそうプログラムされていただけで、ベイマックスは忠実に学んだことを守るだけ。けれど、人間は当たり前に思ってきたことを忘れてしまう。時として感情に振り回されて自ら間違っているとわかっていてもそうしてしまう。

同じ言葉から受けるものが変わる

ベイマックスは変わりません。ただただ健気に忠実に命を守ります。同じ事を言って、同じ事をやっている。けれど、映画の冒頭でヒロはベイマックスの言葉を真剣に受け止めていない。いくつもの困難や葛藤を克服していくうちに、ヒロは変わっていきます。最後にはベイマックスが繰り返している言葉が、ヒロにも観客にも別の意味を持って聞こえてきます。

繰り返されるベイマックスの言葉の中で、

「ベイマックス、もう大丈夫だよ」

が、最初と最後でまるっきり感じ方が違い。感動を覚える作品でした。

☆☆☆☆★

ムーミンの真実を知って、ムーミングッズを見てみると違った|ムーミンカフェ|あべのハルカス

限定オープンしたムーミンカフェ

先日、あべのハルカスに限定オープンしたムーミンカフェに行ってきました。ムーミンをモチーフにした特性ドリンやスイーツが販売されていたんですが、100人待ちの長蛇の列で諦めてしまいました。メインはムーミングッズ販売の特設会場でしたので、ちらちらと見て回りました。

会場は大混雑で、大方は女性客。10代から70代と思しき女子たちで溢れていました。日本風のかわいいキャラ化したムーミンの数は少なく、元祖ムーミンキャラたちのグッズが並んでいました。単色ものが多く、日本のキャラクターものとは違って、どこか落ち着いた絵柄と色合い。家にぽんと置いてあってもそんなに浮かないちょうどよさでした。そう、ムーミンてどこか物淋しいんですよね。

ムーミンの真実

私が好きなポッドキャスト番組に『学問のススメ』という番組があります。そこでは毎回、作家が登場し著作物の紹介と、トークが繰り広げられます。その番組に熊沢里美という文筆家の方が『だれも知らないムーミン谷』という著書とムーミンの真実についてお話しされていました。とても興味深く聴かせていただきました。

私が驚いたムーミンの真実

ムーミンシリーズは1945年スタートの児童文学作品。かなり古くからの作品です。

主人公ムーミンムーミントロール一族。両親はムーミンパパとムーミンママ。

ムーミンの恋人フローレンはスノーク族。実は違う種族だった。

スナフキンはムムリク族。人間らしい見た目だけれど、人間という断定表現はない。

人間関係・共生がテーマ

ムーミン谷は大勢で押し寄せる事ができない場所にあり、限定された空間らしいです。ムーミンに登場するキャラクターたちは種族が違い、ムーミン谷という場所で共生している。谷には災害や災厄が多く発生して、それにどう対処していくかといった物語らしいです。種族との人間関係と自然との共生が大きな二つのテーマ。

そういったことをポッドキャストで聴いていて、展示場を周りムーミンの絵を見ていると、自然の中で釣りをしているムーミン、もの悲しげに歩くスナフキンの後ろ姿、ムーミンと自分のママが会話しているのを物陰からのぞき見ているミィ、など、ただかわいいだけではない。深みを感じました。

イケイケ時代のアメリカン映画|アメリカン・ハッスル|評価|感想

クリスチャン・ベイルジェニファー・ローレンス出演映画アメリカン・ハッスル

はっちゃけてます。はっちゃけ映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」に比べればだいぶ大人しいですが、登場人物がはっちゃけた(ハッスル)映画でした。ストーリーは巧みで、ホップ、ステップ、ジャンプと長さを感じず、空中でひねりをいくつもいれての着地でした。

キャラクターについて

クリスチャン・ベイル

役作りはすごいものがあり、体重増量させ、ポタポタのお腹に。バッドマンシリーズの鍛え抜かれた肉体とは対極で、本当に同一人物かと疑ってしまう程です。

ブラッドリー・クーパー

パーマが強烈で、今まで洗練されたイメージがあったのですが、今作では名誉欲丸出しで欲をかく。ぱっと見はかっこよさそうなのに、よくよく見ていくと、あれれと駄目な面が見えてくるイケメンを演じていました。

ジェレミー・レナー

最近は売れっ子で、いいとこもってく役が多いです。今作では、わかりやすく言えば、ものすごいワルの番長だけど、自分の学校の生徒は守るってイメージです。これ、観た人はわかってくれると思います。

エイミー・アダムス

出演作をいくつか観ていたんですが、あまり印象に残っていなかったです。今作では結構ビッチぶりを発揮していました。頭の回転の演技力でのし上がっていく女性を演じています。

ジェニファー・ローレンス

若いのにすごい女優さんですね。ダメ女でいつも気だるそうな役を見事に演じていました。エイミー・アダムスとライバル関係なんですが、ぶつかりあうシーンには惹きつけられました。今作で一番印象に残ったのが彼女です。

キャラクターが、映画的かっこよすぎて弱点ないって感じではなく。みなが駄目な部分を持っていて、そこに魅力があり、キャスト陣の演技がとても映画を盛り上げていました。ストーリーももちろん面白いんですが、キャラクター映画と言ってもいいのではないでしょうか。

☆☆☆★★

ポッドキャストのススメ 隙間時間で楽しめる音声メディア

ポッドキャスト活用法

私はポッドキャスト番組を愛聴しています。今回はポッドキャストについてお話します

ポッドキャストとは

インターネットから音声や映像コンテンツをダウンロードする仕組みです。ipodiphoneなどアップル社の端末にはアプリとして搭載されています。アプロを起動し、コンテンツをダウンロードし聴取することができます。iTUNEでの検索も可能です。ポッドキャストはアップル以外の音楽端末(ウォークマンなど)でもダウンロード可能なので、興味のある方はお持ちの端末を調べてみてください。

ラジオが好きからポッドキャスト

私は元々ラジオが好きで、朝や夜に聴取していました。きっかけは、実は自室のアナログテレビをデジタルに買い換えずテレビが観られない状態になり、ラジオを聞き始めたからです。ラジオ=音声メディアは画がないので、音で全てを説明しなければなりません。番組司会者もしっかり言葉を選び、話す道筋にも気をつけていて、トーク力がテレビ以上に求められます。テレビと比べ瞬間的に注目をひく演出はなく、じっくりと話を聞けます。時事問題にニュース、地域情報などしっかりと頭に入りやすい気がします。ただ、リアルタイムで聞けないときにどうしたらいいのかと、調べていたらポッドキャストというものがあることを知りました。

どのようなコンテンツがあるのか

ポッドキャストは地域のコミュニティラジオや個人でも配信できます。テレビに比べてぐっと参入障壁が低く、この辺りネットに近いかもしれません。いくつかあるコンテンツの中で、私が好きなのはラジオ局配信のものです。ラジオで放送したものをそのまま、もしくは編集して配信するものもあれば、ポッドキャスト用に番組を作っているものもあります。芸人さんの番組だと、本番終わりにそのままポッドキャストを録音していて、少し肩から力が抜け、彼らの日常や素に近い会話を聞け、テレビで見るよりもぐっと身近に感じることができます。ゲストを迎えた情報系番組、英会話、ニュース番組など、多岐にわたる番組が配信されています。

おすすめポッドキャスト

ここで私のおすすめポッドキャストの聴き方を紹介します。

1 移動中に聴きます。通勤や通学などの移動中、電車の中、または歩きながらも耳は休まない。忙しいサラリーマンの方などは、本を読んだり携帯見たり、何かしながらでも、耳はポッドキャストで情報収集

2 眠れぬ夜のポッドキャスト。これは聴くというよりは、眠りに誘う睡眠術です。私だけにしか効果がないのかもしれませんが、寝付けないときに、小さい音声(内容がぎりぎり聴き取れるかどうか)にして、頭付近に端末を起きます。なんだか人の話し声が聞こえると安心して、眠れてしまうんです。

テレビやネットもいいけれど、ラジオやポッドキャストの音声メディアもそれぞれに良さがあります。ぜひ、お試しください。

アップルのポッドキャストサイト

クリスマス時期に一気見したいドラマ

クリスマス時期におすすめする連続ドラマ

クリスマスまで残すところ1週間を切りました。この時期ならではのおすすめ連続ドラマを紹介

クリスマス時期の最終回が放送され高視聴率を記録した90年代後半のドラマをピックアップ。10代20代の方にはなじみのない作品もあるでしょうが、脚本がしっかりしているので楽しめます。30代40代の方は懐かしさに浸り、ドラマ黄金時代を振り返ってみてはいかがでしょうか。

やまとなでしこ

松嶋菜々子出世作です。登場人物のキャラ付けがはっきりしていて、王道ストーリーでわかりやすい。愛よりもお金を信じる女性と、一途な男のラブストーリー。主題歌はMisiaのEverything とてもマッチしています。

ラブジェネレーション

こちらも王道のラブストーリー。木村拓哉松たか子二度目の競演です。二人の競演といえばHEROを思うかもしれませんが、こちらが元祖競演。

29歳のクリスマスイヴ

余りドラマに出演されなくなった山口智子の代表作。彼女の演技の魅力が爆発しています。弾けるような会話・テンポ、浮ついていない人生観が盛り込まれた大人の恋愛ドラマ。*レンタルの扱いはないようです。残念

眠れる森

ミステリー好きもうなる。テレビで12話かけてミステリードラマをやりきった作品。クリスマスイヴが謎の原点となり、謎の終着点として使われています。ストレートではないひねりのある恋愛が織り込まれています。次話が気になって一気見度高めのドラマ

ホリデーシーズン|スタバ

ホリデーシーズンのスターバックスコーヒー

スタバはよく利用する。濃いめのコーヒーが苦手な私はラテかオレ、アメリカンにミルクたっぷり淹れる。スタバやタリーズドトールベローチェなどよく利用する中で、一番好きなのはスタバのラテ。今年の秋にミルクを替えて値上げになったけど、格段にラテが美味しくなった。コーヒーではなくミルクの力だ。まろやかな味になったと思う。

そして、子の時期のスタバはクリスマス模様。内装から紙カップまで、赤を基調としたものに様変わり。このデザインチェンジはホリデーシンズンというらしい。他のコーヒーチェーン店では見られない趣向。毎年流れるクリスマスソングも有線ではなく、スタバオリジナル選曲らしいから。拘ってるなー。スタバは空間作りがとても上手い。チェーン店の中では価格が高めだけれど、付加価値が高い分、文句もでない。

皆さんはスタバでこだわりの飲み方ってありますか?

私はショートラテをリストレット(エスプレッソ少なめ)にして、店内に置かれているハチミツを一回し入れる。冬になるとほうじ茶ラテを飲む。ほうじ茶のラテって、あまりカフェで見かけないから実はレア。未だかつて頼んでいる人を見たことがないけど。

わたしのグランパ|評価|感想

菅原文太主演映画わたしのグランパ

テレビ放送で視聴した。菅原文太さん演じるグランパが物語の中心にあり、周りの人間たちが影響されて変わっていくという流れだった。孫娘を演じる石原さとみさん、10年以上前とあって初々しい。最近、めっきり大人の女性になっていて、女性の変わりようってすごいなと、映画の内容と関係ないところで感慨深いものがあった。

中学生の俳優たちは、そこまで演技慣れしていない(ひょっとして素人)を使っていて、どこかゆるい空気になった映画。グランパの背負っているものは重いんだけど、キャラクターや演出などから決して重い映画にはなっていなかった。しっかりとドラマが起きるんだけど、目まぐるしく振り回されることはなく、淡々と時間が流れているように感じる。中学生や中学生の子どもを持つ親御さんが、ぴったりの対象なんじゃないかな。対象じゃない人は、どちらかの立場に立って観ると深く楽しめる気がする。

一番は菅原文太さん。グランパありきの映画で、カッコイイ。こんなお祖父ちゃんが地域に一人いると、その町は平和と道徳に溢れた町になるんじゃないかなって程、影響力のある人だった。もし、菅原文太さんが演じていなかったら、この映画は成立しなかったんじゃないかな。俳優さんの力を感じる映画だった。