ドキュメンタリーのような映画|レヴェナント:蘇えりし者|映画|感想|評価
リアル体験をさせてくれる手間暇かけた映画の中の映画
冒頭、大自然の息吹を映像と音でみせてくれる。動物と自然、そして人間の息遣いをスクリーン越しに肌で感じられ映画だ。映像に特殊な加工(フィルター)はされていないのだろうか、映る色合いは実際に目にする色合いに近いのではないか。
普遍的なストーリー
ストーリーは奇をてらったものではなく、よくある復讐劇だが、自然環境や人間の性を丁寧に深くじっくりと描かれていた。間延びしてしまいそうで、映像の美しさが退屈させず、さらに役者の演技が痛いほど観る者を揺さぶる
レオナルド・ディカプリオの執念
ウルフ・オブ・ストリートの多弁怪演から一転、同じ人が演じているのかと驚くほど、今作では極端にセリフが少ない。息遣いやうめき声ばかりで、あとは身体ですべてを表現していた。熊に襲われるシーンのリアリティはCG技術だけでなく、彼のアクションによるものが大きいのではないか。観ていて、苦しい。痛みまで伝わってくる演技だった。これはもうアカデミー賞をあげないわけにはいかないと思う。
自然の驚異以上に人間の驚異
開拓時代といえど、中世どころか古代な人間行動。開拓者の鬼畜ぶりは目に余る。実際そうだったのだろう。先住民にしてもただ虐げられているだけでなく、残酷な面もあり、人間対人間の構図は人間対自然よりもずっとえぐいものだった。
観る者にエネルギーを使わせる作品
観ていて苦しい映画だった。自分を主人公に置き換えたら、三日と生存できないだとうなと思う。復讐劇であり生存劇であり人間劇
☆☆☆☆★