10分で楽しめる文化系WEBマガジン MIN CAFE

ひとりカフェ中に、10分で楽しめる本や映画、エッセイ、カフェ系ブログ。映画は洋画中心、カフェは関西中心、ときに考えさせてくれるエッセイをエッセンスに。文化系の読者様大歓迎です。

図書館とご老人

近頃、よく図書館を利用している。一冊読むとそこから派生して別の一冊や関連本に手を伸ばしているうちに通うようになった。そこで気になった図書館模様について書こう。

高齢者の溜まり場

私が住んでいる一帯に高齢者が多いのか、チェーン店のカフェやファーストフード店、図書館に高齢者の占める割合が圧倒的に高い。おそらく仕事をリタイアした方々が行く場所がなく時間つぶしに利用している。日がな一日家にもいたくなくて、かといって遠出(電車に乗って移動する程度)もしたくなくて(節約して)か、最寄りのカフェや図書館に出る。

カフェで家から持ってきたであろう新聞を広げて読む。何が楽しいのだろうと思ってしまうが、私もその歳になれば同じようなことをするのだろうかと未来を想像し複雑な気持ちになる。幸か不幸か、仕事があろうがなかろうが、仕事以外にしたいことがいくらでもあるから何もすることがない。何もしたいことがない。と今までの人生で思ったことがない。

図書館の注意書き

図書館の一画にこんな注意書きがあって驚いた。高齢者に向けての注意書きだ。「ここは学生さんたちの読書や勉強のためのスペースとして空けてください」というものだ。つまり、行くところのない高齢者たちが、早い時間に図書館にやってきて日がな過ごし、本来、勉学や調べ物に図書館を利用したい学生たちから場所を奪っているということだ。学生たちは学ぶ場として図書館を利用し、お金がないからカフェよりも図書館で勉強がしたい。そういう場なのだから、調べ物もないのに占拠しないで欲しいと、私も同意した。

公共の場なのだから誰が利用したっていいのだけれど、本来の利用目的から逸脱している利用者がちらほらと見受けられた。例えば、最近の図書館にはパソコン専用席がある。そこがパソコンを使わない人に座られ使えなかったり、席に物を置いて買い物して帰ってくる人がいたり、席で寝ている人がいたり、図書館として以外の使い方がされすぎだ。

最新刊が読めないとクレームがある現状

近頃、図書館に最新のベストセラーがなかなか借りられないとクレームがあるらしい。そんなもの買えばいいだろう。買うのがもったいないならば読まなければいい。本当に読みたければ買うでしょう。お金を出したくない程度の読書欲しか持てない本ならば読まなくたっていいんじゃないか。流行っているから読んでみようという動機なら、必要ない読書ではないか。

どう映っているのだろう

リタイアして時間を持て余し図書館で日がな過ごしているのだろう。私が学生の頃は今よりも少なかったせいか、図書館で大量の高齢者を見る機会はなかった。今の10代の子たちには図書館の大半を埋める彼らがどう映っているのだろうか。かけ離れた未来でそこに自分たちを重ねることもなく、図書館の景色として慣れているのだろうか。

現役の方もいる

一度だけ現役のご老人を見た。隣の席に座った高齢者は洋書を読んでいた。街の図書館だから研究者ではないだろう。辞書を机の脇に起き洋書を読んでいた。勉強なのか調べ物なのか熱心だった。その様子に偏見を持ちすぎたのかと少し自制した。でも、そんなご老人て物凄くレアなのだろう。たった一度見かけただけだけれど、私は尊敬の念を持った。